骨盤底筋について
今回お話するのは、骨盤底筋という筋肉についてです。
これだけで本1冊は書けるくらい重要な筋肉です。
その名の通り筋肉なのですが、このようになっています。
筋肉の中には自らの意思で動かす随意筋肉(例:肩や足)と、自らの意思で動かすことの出来ない不随意筋肉(例:心臓や腸)があります。骨盤底筋は随意筋肉なので本来は自分で動かす事が出来る筋肉なのですが、ほとんどの方は自力で動かすことを忘れています。
筋肉は使わないと動かなくなるほど弱ります。
しかし本来動かせる筋肉が、このように弱ってしまうということは機能が果たしきれていないという事になります。
この弱っている状態が長く続くと尿漏れや便漏れ体形の変化などの産後トラブルに繋がります。。
骨盤底筋の役割は2つあります。
骨盤の中身を支えることと尿漏れを防ぐことです。
妊娠中は胎児が大きくなるにつれ骨盤底筋にかかる重みが増えまわりの臓器は圧迫され、筋肉は引き伸ばされ薄くなるので骨盤の底面は弱くなります。
骨盤底筋が引き伸ばされてしまうと、3つの扉は常に半開きの状態になるんです。
なので、妊娠が進むにつれ腹圧がかかること(くしゃみ、咳、笑う)で尿漏れやオナラが出やすかったり、便が漏れてしまったりが引き起こされやすくなります。
骨盤底筋は出産後赤ちゃんの分、重さが減って元の状態に戻るかと言うと、そうではありません。
妊娠中の10カ月かけて引き伸ばされた筋肉は、元の長さを忘れてしまい伸びっ放しの状態です。
しかも、そこに不安定な骨盤を支えるための脂肪が入り込んでくる為、骨盤底筋には次は脂肪分の重みが掛かってきます。
そもそも骨盤底筋は骨盤の底に付着し、妊娠出産で骨盤が緩んでひろがってしまっている為それを治さなければ元の状態に戻すことは出来ません。
ですから産後、尿漏れが続くことは当たり前なのです。
ではそのまま放っておくとどうなるか?
出産後そのままにしていると時間の経過が解決してくれることではないので、放置しておくと状態は悪くなります。
どんなふうにかと言うと、骨盤が緩んだままの状態だと、脂肪を溜め込みやすくなります。
脂肪がたまるとともに、骨盤の前側(腹筋)と底側(骨盤底筋)の筋肉が伸びて筋肉は弱くなります。
これが下っ腹がポッコリしてくる理由の1つです。
骨盤腔内に、脂肪や内臓が詰まってくるので下肢につながっている血管やリンパ管は流れが悪くなります。
これが下半身太りや冷えの原因になります。
骨盤が緩んだままで骨盤底筋が伸びていると腸などの消化器管が垂れ下がり働きが悪くなります。
これは便秘や風邪をひきやすいなどの産後の不調を招く原因になります。
最悪の状態は、骨盤臓器脱といって、膣から子宮が突出する子宮脱、膀胱が突出する膀胱瘤、直腸が突出する直腸瘤などが起こります。
ここでよく巷では骨盤トレーニングをしましょう!
という記事などをみますが産後は腰が痛くなったり、気分が憂鬱だったり、股関節が痛かったり、寝不足で頭痛があったり「そんなことする余裕なんてないよ。。。」というのが本音だと思います。
ですからトレーニングをする前に身体のケアが必要です。
ケアが出来たらトレーニングをお勧めします。